東京ろまん建築巡礼・聖路加国際病院 聖ルカ礼拝堂(中央区) 東京・築地のランドマーク建築 東京 建築

東京・築地のランドマーク建築

102歳の現役医師、日野原重明さんが名誉院長を務めることでも有名な聖路加国際病院、聖路加国際大学は中央区築地にあります。
みなさんは「せいろか」と発音されますが、これは医師とも言われ、新約聖書の福音書を記した「聖ルカ」にちなんだネーミングなのですね。


先にご紹介した「カトリック築地教会」ときょうだいのように建っているこの礼拝堂は、イギリス国教会系の「日本聖公会」に属するプロテスタントの礼拝堂です。中に入ると日本にいることをわすれてしまいそうな東京でも稀有な教会建築です。

東京ろまん建築巡礼・聖路加国際病院 聖ルカ礼拝堂(中央区) 東京・築地のランドマーク建築 東京 建築

患者さんにやさしい建築物

1900(明治33)年アメリカ聖公会から派遣され東京にやってきた医師トイスラー博士により建てられた聖路加病院の礼拝堂(チャペル)として発足しました。現在の礼拝堂は、関東大震災や2年後に起きた火災を経て、1936(昭和11)年に完成しました。当時はどの病室からも礼拝堂の屋上にある十字架を見ることができ、患者さんたちの心の支えになっていたそうです。また礼拝堂の後方上部のギャラリーには現在では立派なパイプオルガンが設置されていますが、かつてこの旧館に病室があった頃、3階から6階までの各階から、バルコニー越しに礼拝堂を見ることが可能で、入院患者さんは各階から自由に祈りを捧げる事ができたそうです。1945(昭和20)年敗戦とともに病院と看護学校の建物のすべてがアメリカ軍に接収され、1956(昭和31)年接収が解除されるまでアメリカ陸軍42病院の礼拝堂として使用されていた時代もありました。欧米の古い教会もそうですが、この礼拝堂は上空から見ると十字架の形をしています。そのためか戦時中に米軍の空襲を免れたという逸話が残っています。

東京ろまん建築巡礼・聖路加国際病院 聖ルカ礼拝堂(中央区) 東京・築地のランドマーク建築 東京 建築

「いのち」を第一に考える建築

この礼拝堂以外に「トイスラー記念ホール」という小礼拝堂が病院本館(診療棟)にありますが、これは1992年に完成しました。この礼拝堂の壁や通路には酸素吸入ができる機能が設置されていて1995(平成7年)に東京で起きた地下鉄サリン事件で、多くの患者がこの病院に運ばれた際にはこの小礼拝堂でも処置がなされたそうです。
現在聖ルカ礼拝堂では定期的にオルガンコンサートなども開かれており、壮麗な近代ゴシック様式で美しいステインドグラスもある礼拝堂が一般にも開かれています。

〈メモ〉東京都中央区明石町 
東京メトロ日比谷線「築地」駅 または有楽町線「新富町駅」から徒歩10分
教会ホームページ http://www.nskk.org/tokyo/church/luke/index.php

iPhone iPadをご利用になっておられる方は「Churchin(チャーチ・イン)」という無料アプリをダウンロードして使うと、GPS機能で全国どこでも最寄りの教会建築の位置を教えてくれます。

東京ろまん建築巡礼

東京 建築

東京ろまん建築巡礼・聖路加国際病院 聖ルカ礼拝堂(中央区)東京・築地のランドマーク建築