東京ろまん建築巡礼・トイスラー邸(中央区) お菓子のお家のようなかわいい建築 東京 建築

お菓子のお家のようなかわいい建築

先にご紹介した東京・築地にある聖路加国際病院・聖路加国際大学の敷地内に移築されているこのかわいらしい洋館は同病院の創設者ルドルフ・トイスラー博士(1876−1934)の邸宅であったものです。現在では聖路加トイスラー記念館として美しく保存されています。

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最初はゲストハウスとして建てられた建築物

1874年(明治7年)、東京・築地の外国人居留地に、スコットランド人の医師であったヘンリー・フォールズ(1830ー1943)が築地病院を設立したものの運営が困難になり、その後聖公会(イギリス国教会系)の医師であったルドルフ・トイスラー博士がこれを買取って「聖路加(聖ルカ)病院」と名づけました。1923(大正12)年の関東大震災にて病院が倒壊してしまい、1933(昭和8)年皇室・アメリカの聖公会・アメリカ赤十字の寄付で再建されました。この時にこの建物もできましたが、当初はゲストハウス・宣教師館として使われていました。もともとは隅田川沿いの築地明石町19番地に建てられたものでした。

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東京における代表的なイギリス建築

1989(平成元)年、移築復元のための解体工事が行われた後、1997(平成9)年に7か月の工期で移築し、平成10年2月に病院の中庭に復元されました。
鉄筋コンクリート2階建てで一部が木造の洋風住宅で、重厚な梁が特徴です。外観はハーフティンバー様式(*1)のデザインで、内部は伝統的なチューダー・ゴシック様式(*2)のデザインなのだそうです。公開されていなくて残念な限りです。




*1:西洋木造建築の一手法で,柱,梁,筋違(すじかい),間柱,窓台など軸組みとなる部分を外観に現し,その間を煉瓦で充てんしたり,白いスタッコ塗りに仕上げたもの。語源については,壁その他と木造の部分が半々の印象となるため,あるいは半割の木材を外部に見せるため,との二説ある。北ヨーロッパ(ドイツ,フランス)中世に多く見られ,イギリスでは15~17世紀に住宅建築に多用された。(Kotobankより引用)
*2:イギリスのチューダー朝時代(1485~1603年)の建築、家具の様式のことを言います。チューダー・ゴシック様式を代表するオーナメントは、赤いバラと白いバラを組み合わせた、「チューダーローズ」があります。チューダー・ゴシック様式を代表する建築物に、イギリスの国会議事堂があります。(インテリア用語辞典より引用)


〈メモ〉東京都中央区明石町 
東京メトロ日比谷線「築地」駅 または有楽町線「新富町駅」から徒歩10分

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