東京ろまん建築巡礼 日本基督(キリスト)教団芝教会 日本のシャンゼリゼ通りにある東京最古のプロテスタント教会 東京 建築

日本のシャンゼリゼ通りにある東京最古のプロテスタント教会

今年、東京・虎ノ門と新橋を結ぶ「新虎通り」が開通しました。2020年の東京オリンピックまでにはお台場へとつながろうとしているこの通りは、日本の「シャンゼリゼ通り」を目指すそうです。そのため、急ピッチで周囲の環境整備が進んでいます。今回ご紹介する日本基督教団芝教会は目まぐるしく変貌を遂げるこの再開発の中心地にあります。先回ご紹介したカトリック築地教会は東京最古のカトリック教会ですが、芝教会は東京最古のプロテスタント教会です。


かつてはオフィス街に異彩を放ってはいるものの、ひっそりと建っていた感のある趣のある建築でしたが、現在は再開発によって「虎ノ門ヒルズ」のタワーのお膝元に凛として建っている重厚な教会堂です。筆者は早朝に撮影に伺いましたが、出勤する工事関係者の波が途切れることなく続いていました。

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災害に強い重厚な建築

この教会は1869(明治2)年にアメリカから来た宣教師クリストファ・カラゾルス夫妻が築地に英語学校を開き、学生に聖書をテキストとして英語教育を始めたことに始まり、1874(明治7)年前身の東京第一長老教会が設立されました。その後、新橋の露月町、愛宕町に移転しましたが、その後関東大震災や火災で何度も会堂を失ったそうです。1936(昭和11)年に愛宕町から芝桜川町(現在の虎ノ門一丁目)に移ってきました。それが現在の現教会堂です。間野貞吉の設計によるもので、太平洋戦争の戦災にも免れた強固な鉄筋コンクリート三階建てです。どうりで重厚な建物なのですね。この頃の建築家や都市計画に携わった人たちは、いかに災害に強い建物を志向したことが伺われるような建築物です。

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細部にわたって美しい建築

白壁の外観ですが、建物の下部には長野県の諏訪・佐久地方で多く産出される暗緑色の鉄平石が板状に張り巡らされています。またゴシック建築にはよく見られる「ポインテッド・アーチ」が脇にあり、そこが入口になっています。内部は1階が会議室などで、2,3階が吹き抜けの礼拝堂です。美しいステンインド・グラスが見ものです。カトリックや聖公会に比べるとシンプルな建築がプロテスタント建築です。そのシンプルさの中に古き良きアメリカの教会のような美しさが光っています。


また3階のギャラリーには2010年に設置されたパイプオルガンがあります。教会のホームページによれば、この会堂は毎週水曜日と金曜日の午前11時~午後2時まで一般に開放しているそうです(ただし、祝日は開放をお休み、第3水曜日は祈祷会があるため午前11時~12時30分まで)。ぜひ訪ねてみてください。


〈メモ〉東京都港区虎ノ門
 
東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅 から徒歩5分

 教会ホームページ:http://homepage3.nifty.com/siba-c/index.html



iPhone iPadをご利用になっておられる方は「Churchin(チャーチ・イン)」という無料アプリをダウンロードして使うと、GPS機能で全国どこでも最寄りの教会建築の位置を教えてくれます。

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