お叱りを受けること その3 人とモノの関係性・愛着から愛称になっていく事例 古書買取 古本見積 大山堂書店

人とモノの関係性・愛着から愛称になっていく事例

古書店の店主から怒られたなど、頑固親父・職人肌的なイメージが多い古書店ですが、今までの記事を読んでくださった方たちから、「古書店も怒られているんだ」と驚きや、「ざま~みろと爽快感を得ている」という声(笑)をいただきました。楽しみに読んでいただき感謝です。

今回もお叱り?を受けたことをもとに記事を書いてみますね。


私は書籍より映画をよく観るのですが、映画「セントオブウーマン」の一シーンで、アルパチーノ演じる盲目の主人公が
「おい、【ジョン】・ダニエルはどこだ?」
と青年に問うと
「ああ、この【ジャック】・ダニエル(バーボン)のことだね?」
と訂正をするかのごとく聞き返すと、アルパチーノは、
「俺とあいつは付き合いが長いから【ジョン】でいいんだ」
と格好良く応えるフレーズが気に入っています。

付き合いが長かったり、知った仲だからこそ許される関係というのが人とモノとの間でもあるものです。


ところで、『斎藤茂太』さんをご存知でしょうか?父は歌人の斎藤茂吉で、精神科医として様々な著書を書いています。2006年にお亡くなりになりましたが、お人柄溢れる茂太さんの愛称は「モタさん」でした。私もシゲタさんとわかっていながら彼の書籍を扱う時は「モタさん」と呼んでいます。

しかし、お客様の前ではそんな関係性は見せてはいけませんね。中には「シゲタさんでしょ!」と怒る人だっているかもしれません。


私と父とで、とある古書買取の現場に行った時の話。

山積みにされた古書を整理していくと幸田露伴の書籍が多く出てきました。お客様の目の前で私もなじみのある書籍が出てきて思わずこう言ってしまったのです。

「ああ、幸田文のもあるんですね」

それを聞いたお客様は顔が引きつって不信感を募らせてしまったのです。

ため息をついて黙ってしまったのが怒鳴られるより怖かったものです。古本見積さえ終わらないうちに古書買取現場から出て行くよう言われました。


何でだかわかります?

幸田露伴の次女、同じく作家の【幸田文】さんを何て呼ぶか知っていればわかりますよね。

そう、本来呼ぶはずの「こうだ【あや】」を、僕との古書としての長い付き合いから「こうだ【ふみ】」とお客様の前で呼んでしまったのです(笑)←いや、笑えない・・・。

「この本屋、大丈夫なのか?」と思われてもしょうがないですよね。

(まだ、幸田ふみちゃんとちゃんづけをしなくてよかった・・・(笑))


その他にも哲学書を扱うので「木田元(ゲン)」さんや仏教書では「中村元(ハジメ)」さんとも書籍として付き合いが長いため、「元」とあれば、ゲンちゃんと呼んでしまうので注意が必要です。

また、これは間違えたらいけないとわかっていながら「暁烏敏」さんという宗教家を「ビンちゃん」と呼んでいることをお客様に聞かれたら大変です(笑)
しかも、「あかつきとり、びん」と読もうものなら怒られるか呆れられることでしょう。(「あけがらす はや」と呼びます)


商人として『人の名前と釣り銭は間違えぬこと』と育てられたものですが、もし今度間違えて怒られそうになった時は

「私とあいつとの付き合いは長いからいいんですよ」

と言い訳してみようかと思っています(悪い商人になったものです・・・)

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