怖い話「つけ紐閻魔」 怖い話 閻魔

怖い話「つけ紐閻魔」

新宿にある太宗寺。
ここには怖い話「つけ紐閻魔」が伝わります。
太宗寺にある閻魔像を見れば納得。
目を見開いて、怖い顔をした、真っ赤な顔の大きな閻魔さま。
さらに閻魔像の横には、不気味な様相をした奪衣婆像も。
2つの像は非常に恐ろしい顔をしており、お堂を覗いたことを後悔するほど。

お堂には柵があり、その中央にボタンがあります。
太宗寺へ訪れたら、ぜひ押してみてください。
約1分、閻魔像と奪衣婆像が照らし出されます。
中央には怖い顔をした閻魔像。
左奥を覗き込むと、おばけ屋敷に出てきそうな奪衣婆像が!


○つけ紐閻魔怖い話

太宗寺の閻魔像は「内藤新宿のお閻魔さん」や「つけ紐閻魔」など。
「つけ紐閻魔」と呼ばれる由来には、怖い話が伝わっています。

ある人が、このお堂の前で子守をしていました。
ところが背中におぶっている子どもが、なかなか泣き止まないのです。
「泣いていると閻魔さまに食べられちゃいますよ」と子どもをあやしてやります。
すると、泣いていた子どもが静かになり、ホッと一息。
でも背中が妙に軽いのです。おぶっていた子どもが消えているのでした。
その人は驚いて、子どもを探します。
ふと堂の中の閻魔像を見ると、子どもの着ていた着物のつけ紐が、閻魔像の口から垂れ下がっていたのです。

思わずゾッとしてしまう怖い話
このような怖い話が語り継がれ、太宗寺の閻魔像は「つけ紐閻魔」と呼ばれるようになりました。
実際の閻魔像の口には、紐は見当たりません。
また、弘化4年(1847)に、酔っぱらった人が閻魔像の目を取るという事件があったらしく、その様子は錦絵となって江戸で話題になったそう。
不思議で怖い、閻魔さまのお話です。



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太宗寺の「切支丹灯籠」

太宗寺へ訪れたら、ここもチェック!
「切支丹灯籠」です。
江戸時代にキリスト教弾圧が行われました。
その際に隠れキリシタンが礼拝に使ったものと考えられ、全体が十字の形を表しています。
灯籠の下部に小さな像が写真で確認できるかと思いますが、マリア像を表現しており、マリア観音とも呼ばれるもの。
この切支丹灯籠は修復、復元されたもので、江戸中期の製作と伝わります。


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塩かけ地蔵

太宗寺へ入って左奥に、全体が白いお地蔵さまが見えます。
見た目は怖いのですが、閻魔像のような怖い話は伝わっておりません。
建立時期は不明、由来も不明の謎だらけのお地蔵さま。
塩を頂いて帰り、願いが叶った際には、倍にしてお地蔵さまに塩をかけ返すという変わった風習が伝わります。

太宗寺には山の手七福神の布袋尊像も。
入口には江戸六地蔵の3番目である「銅造地蔵菩薩坐像」も見ることができます。

見どころの多い太宗寺ですが、やはりイチオシは閻魔像。
太宗寺で閻魔像を拝見する際には、「つけ紐閻魔」の怖い話も思い出してくださいね。



怖い話「つけ紐閻魔」

怖い話 閻魔

怖い話「つけ紐閻魔」

閻魔が実際に子どもを喰べた場面はなく、口からダラッと下がる紐が強調されて伝わった話。
日本の怖い話には、どこか本当に恐ろしい部分を人の想像力で補うような語り伝えが多いですね。
外国の怖い話も多いですが、日本のいわゆる怪談に、不気味さを多く感じるのは、そのような伝え方の違いに秘密があるのかもしれません。

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